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『サスペンションとは!』技術編 SHOWA SFF-BPとは!

ブログ更新を長らくご無沙汰してましたが、久しぶりにサスペンションの技術編と題してSHOWAのフロントフォーク機構である「SFF-BP」について書いてみたいと思います。

「サスペンションとは!」 技術編 SHOWA SFF-BPについて

管理人もサスペンション技術者として現場を離れてかなり年月が経っていますが、最近「SFF-BP」というフロントフォークシステムが最近のスーパースポーツ系で採用されているとのことなので、管理人の勉強も含めて簡単に解説してみたいと思います。


CB125Rホンダ公式サイト(https://www.honda.co.jp/CB125R)より引用

※SFF-BPは日立Astemo株式会社SHOWAブランドの登録商標です。

SFF-BPってそもそも何なの?

Separate Function Front fork(セパレート ファンクション フロントフォーク)とBig Piston Front fork(ビッグピストン フロントフォーク)の二つのシステムを合体させた構造のフロントテレスコピックサスペンションの呼称であり、次項以降で各々の構造と狙いについて紹介する。


モーサイ(https://mc-web.jp)より引用

まずはSFFについて

Separate Function Front forkと小難しく呼ばれているが、要するに片側ダンパー+片側スプリング(反力)と呼ばれていた左右で構造を分けた仕様の呼称である。

この生い立ちは割と古く、過去記事「サスペンションとは!」上級編-Part4でもご紹介したトライアル用フロントフォークが正にそれに該当します。

これを倒立フロントフォークとして採用したのがモトクロス分野であり、量産採用の狙いとしては左右で内部構造をセパレート化することによるコストダウンだっと考えられます。

ただモトクロスの場合はクッションストロークが300mm前後と長く、左右を反力と減衰機構で分離したことに起因すると思われる左右の特性差が違和感として打ち上げられて、採用されるまでにはかなりの苦労があったようです。

管理人も1990年代前半にロードレース用としてSSFを手掛けたことがありますが、ロードレースの場合は元々操舵系が高剛性であるため、左右の特性差はほとんど感じず、どちらかと言うと減衰力特性上のコンプレインで全てのライダーには受け入れて貰えなかったと記憶しています。

BPFとは

BPF(Big Piston Front fork)と呼ばれるフロントフォーク構造ですが、こちらはカートリッジタイプのカートリッジ自体を廃止し、スライドパイプ内面をピストンが直接摺動することでピストンを大径化した機構である。

狙いとしては、ピストン径を大径化することによる油圧機器としての性能向上が挙げらる。

これは簡単にいうと、ピストン径が小さい=オイル移動量が少ないに対して、ピストン径が大きい=オイル移動量が多くなることで、同一減衰力とした場合、より細かく減衰力を制御し易くなり、且つ減衰力の応答性も格段にアップすることから吸収性と路面追従性等の基本性能の向上が図れます。

BPFとしては、2000年代にロードレース、市販スーパースポーツなど多くの機種に採用された実績を持つ。

通常カートリッジタイプとBPFの構造違いはこちら

Animation Showa Big Piston Fork

youtu.be

左側の通常カートリッジタイプに対して右側がBPFとなりますが、この動画で内部構造の違いとオイルの流れが理解出来ると思います。

SFF-BPの狙い

SFF-BPの狙いとは、左右構造分離化によるコストダウンとピストン大径化による性能向上を狙ったフロントフォーク構造となります。

管理人の経験則として言えば、単純に左右で発生させていた減衰力を片側だけにした場合、左右分(×2)を片側だけで確保する必要があり、ほぼ倍の減衰力(厳密には倍までは必要ない)を同一のピストン径で発生させることは、ピストン径と適正減衰力値の関係では適正値を外れるので、ピストン径を上げる必要がある。

例えば、インナーパイプ径φ41でピストン径φ20と仮定し、片側に集約した場合、最低でもピストン径としてはφ30くらいは欲しくなるが、BP仕様では単純計算でΦ37ほどのピストン径が確保出来ることになり、結果的にピストン径に余裕が出来ることで減衰力特性上に於いて減衰応答性としなやかな動作を確保し易くなる。

従って、左右構造分離化を図ったセパレートファンクションとビッグピストンの融合はコストパフォーマンスとして理想的な組合せと考えられる。

一部機種ではメインスプリングのみ両側に装備したSFF-BPも存在しますが、反力系は荷重の大部分を受けるメインスプリングだけでなく、エアー反力やボトム付近の荷重を受けるオイルロック機構に加え、上級モデルではイニシャル調整アジャスターや減衰力アジャスターなどが片側に各々集約させることが出来るので、これも構造分離化と呼べると考えます。

簡単ですが、以上で技術編-SHOWA SFF-BPの説明とさせて頂きます。

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